
厚生労働省が介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格更新制の廃止と更新研修の義務付け終了を社会保障審議会・介護保険部会に提案した件についてですね。
この提案が決定した場合の今後の流れは、主に介護保険法改正に向けた動きと、それに伴う詳細な制度設計の段階に進むことになります。
ケアマネ資格更新制廃止決定後の今後の流れ
1. 審議会での議論と取りまとめ

厚生労働省の提案は、まず社会保障審議会・介護保険部会で議論されます。
• 議論: 提案内容(更新制廃止、研修義務付け終了、研修のあり方など)について、委員間で具体的な問題点や制度の詳細、他の関連施策との整合性などが検討されます。
• 取りまとめ: 議論を経て、制度の改正方針や具体案が報告書などの形で取りまとめられます。この報告書が、今後の法改正の土台となります。
2. 介護保険法改正案の策定・国会審議
ケアマネジャーの資格制度は介護保険法で定められているため、更新制の廃止には法改正が必要です。
• 法改正案の策定: 厚労省は審議会の議論結果を踏まえ、介護保険法改正案に更新制廃止の措置を盛り込みます。この改正は、次期2027年度の介護保険制度改正に合わせて行われる可能性が高いです。
• 国会審議・成立: 策定された法改正案は国会に提出され、審議を経て可決・成立すれば、更新制の廃止が正式に決定します。
3. 新制度の詳細設計と関連政省令の改正
法改正が成立した後、施行に向けて具体的な制度を定める段階に入ります。
• 詳細な研修制度の設計: 更新研修の義務はなくなりますが、ケアマネジャーの専門性維持・向上のための研修自体は継続されます。
• 厚労省は、ケアマネがより負担なくスキルアップできるような新しい研修の仕組み(例:長期間での分割受講やeラーニングの活用など)の詳細を設計します。
• 関連政省令・通知の改正: 介護保険法の改正に基づき、施行に必要な政令や省令、および具体的な運用ルールを定める通知などが改正・発出されます。
4. 新制度の施行

法改正で定められた施行期日から、更新制が廃止され、新しい研修制度などが開始されます。
• 適用: この施行期日以降、ケアマネジャーは5年ごとの資格更新手続き(更新研修の受講と申請)が不要となります。
• 移行措置: 既に更新期限が迫っている人など、現行制度と新制度の間にいる方々への経過措置や移行期間が設けられる可能性があります。
提案の背景

今回の提案は、ケアマネジャーのなり手不足と資格維持の負担軽減が主な背景にあります。現行の更新研修は期間や時間が長く、業務との両立が大きな負担となり、資格の失効やキャリア継続の断念につながっているという指摘がありました。
更新制を廃止し、資格維持と研修を切り離すことで、ケアマネジャーとして働き続けやすい環境を整備し、人材の定着を図る狙いがあります。

コメント