認知症はどんな病気
脳の病気や障害など様々な原因により、これまで培ってきた記憶や思考などの能力、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。
主な認知症4種類
アルツハイマー型
• 嗅覚から衰え、悪臭に気がつかない。
• 最近のことを忘れる。
• 緩やかに進行する。
• 本人が楽観的であまり気にしない。
• 事実と異なることを話すことがある。(作話)
血管性認知症
• 脳血管障がいが起こるたびに、段階的に進行する。
• 気分が落ち込んだり、何かをしようとする意欲が下がる。
• 悲しくないのに泣いたり、おかしくないのに笑ったりする。
(感情失禁)
• 記憶障がいは軽く、人格や判断力は保たれることが多い。
• 動脈硬化の危険因子を抱える男性に多い。
• 脳血管障がいの再発を防ぐことで進行を予防できる。
前頭側頭型認知症
• 興味、関心が薄れると、会話中でも立ち去ってしまう。
• 抑制がきかなくなり、万引きや信号無視など社会ルールに違反することがある
• 交通事故の危険があり、早い段階から注意が必要。
• 同じパターンの行動を繰り返す。
• 50歳くらいから発病することがある。
レビー小体型認知症
• 人物や動物、昆虫など、詳細な幻覚や妄想を見る。
• 初期では手が震えるが、進行すると筋肉が固くなって震えが止まる。
• 歩行が小刻みになり、転倒しやすくなる人物や動物、昆虫など、詳細な幻覚や妄想を見る
• 初期では手が震えるが、進行すると筋肉が固くなって震えが止まる。
• 歩行が小刻みになり、転倒しやすくなる。
大切なのは早期発見・早期治療
認知症に早く気づくなのが大切な理由
①治る病気や一時的な症状の場合があります。
脳の病気で外科的な処置でよくなる場合や、薬の不適切な使用が原因で認知症のような症状が出る場合もあり、正しく調整することで回復する場合があります。
②進行を遅らせることが可能な場合があります。
アルツハイマー型認知症では、薬で進行を遅らせることができ、早く使い始めると自立した生活を長くすることができます。
③今後の生活の準備をすることができます。
早期の診断を受け、症状が軽いうちにご本人やご家族が認知症への理解を深め、病気と向き合い話し合うことで、今後の生活の備えができ、自分らしい生き方をまっとうすることができます。
認知症はどんな症状がでるか
「認知症状」と「行動・心理症状」があります
認知症の症状には、共通してあらわれる「認知症状」(中核症状)と、本人の性格や生活状況、あるいはケアの仕方などが影響して起こる二次的な「行動・心理症状」(周辺症状)があります。
「行動・心理症状」は人によってさまざまですが、適切な治療やケア、周囲の対応などで改善が期待できます。
主な認知症状(中核症状)
記憶障害
ついさっきのことや知っているはずのことを忘れてしまう。
見当識障害
日時や場所、人間関係などがわからなくなる。
失行・失語
服を自分で着られなくなったり、うまく話せなくなったりする。
実行機能障害
料理の手順や旅行の計画が立てられなくなる。
判断力障害
複維な話が理解できず、わずかな変化にも対応できなくなる。
主な行動・心理症状(周辺症状)
行動症状
暴言・暴力・徘徊・不潔行為・活動量の低下
心理症状
不安・焦燥・興奮・うつ状態・睡眠障害・妄想
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次の症状がある時は注意。
○物忘れがひどい
- 今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる。
- 同じことを何度も話したり聞く。
- しまい忘れや置き忘れが増え、いつも探している。
- 財布・通帳・衣類などが盗まれたと人を疑う。
○判断力・理解力が衰える
- 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなる。
- 新しいことを覚えられない。
- コミュニケーションが取れない。
- 話のつじつまが合わない。
- テレビ番組の理解ができなくなった
○時間・場所がわからない
- 約束の日時や場所を間違えるようになった。
- 慣れた道でも迷うことがある。
○ 人柄が変わる
- ささいなことで、怒りっぽくなった。
- 周囲への気遣いがなくなり、頑固になった。
- 自分の失敗を人のせいにする。
- このごろ様子がおかしいと周囲から言われた。
○不安感が強い
- 一人になると怖がったり寂しがったりする。
- 外出時に持ち物を何度も確かめる。
- 頭が変になったと本人が訴える。
○意欲がなくなる。
- 下着を替えず、身だしなみを構わなくなった。
- 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった。
- ふさぎ込んで何をするのもおっくうがり嫌がる。
早期治療が大切な理由。
上に記載された内容で当てはまる方やおかしいなと思ったらまず受診。
対処が早いほど生活の質を良い状態で保てます。
MCI(軽度認知障害)の段階で見つかれば、認知機能の回復・維持も期待できます。
早期受診は本当に大切!
認知症の大きな取り組みは共生と予防。
適切なケアや治療の開始により、完治が難しくても進行を遅らせたり、症状を軽減させられます。
※予防には、これからならないようにと言う意味と認知症を遅らせる。症状を軽減と言う意味も含まれます。
受診に行く時にまとめておく情報
受診に欠かせないのが、本人や家族からの情報です。本人の話はもちろん、家族からの視点、それぞれの話の食い違いなども重要な手掛かりになります。医師に伝えたい内容をまとめておくとスムーズです。
事前に整理しておくポイント
- 受診について本人が納得していることが1番良いですが自覚がなかったり、受診にためらいがある時は、声かけや表現を工夫する。
- もともとの性格や習慣などや、どんな変化がいつごろから現れたかなど。
- 具体的に困っている症状は何か。
- 日や時間帯によって変化があるか既往歴。(高血圧や糖尿病などがあるか)
- 飲んでいる薬とその服用期間。(お薬手帳があれば持っていく)
その地域の医療や制度を知ろう。
さまざまな制度・サービスの情報収集やその利用計画も、本人の意思を反映させるなど余裕を持って立てられます。
まずは主治医(かかりつけ医)に相談
普段から関わっているので現病歴に関してもわかっているので本人をよく知っていると言う強みがあります。
主治医の先生も内科など何専門分野として看板を出していても認知症のかかりつけ医の専門医等の認定を受けている先生もいます。
必要に応じて専門病院や専門医を紹介してくれます。
認知症初期集中支援チームについて
認知症初期集中支援チームとは、できる限り住み慣れた地域で暮らしが継続するために、認知症の方、疑いのある方、およびそのご家族をチーム員が訪問し、適切な支援機関に繋ぎます。
チームのメンバーは認知症サポート医、医療介護専門職(看護師、保健師、社会福祉士)
ご自宅を訪問して病状の観察、内服の調整、評価を行い、チーム内で会議を行います。
主治医や認知症専門医、認知症疾患医療センターとも連携をとります。
また、地域包括支援センターとも普段から報告、調整、協力体制をとっています。
治療を終了する頃や必要に応じては、関わっている段階からケアマネージャーとも連携しています。
まとめ
認知症は早期発見、早期治療がとても大切です。
認知症にもいろいろあります。その症状によっても対応や治療方法が変わってきます。
まずは主治医(かかりつけ医)に相談していきましょう。
そして必要な社会資源を知りしっかりと活用していきましょう。
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