分かりやすく解説 介護施設について

介護日記
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高齢者向けの施設の種類と概要について説明

まず最初に介護保険についての基本的な考え方について、少しだけお話をさせてください。
介護保険サービスは社会保険の一種です。高齢化と長寿化が急激に進んだことから、市区町村は3年を1つの期間として介護保険事業計画を策定します。この計画に合わせ、被保険者の納める保険料や介護サービス事業者に支払われる介護報酬が見直されます。介護保険は2000年から始まりましたので、2020年度までが第7期、2021年度からが第8期となります。2000年に導入されてから3年に1度見直しをしながら今まで進んできました。

介護保険の利用方法は基本的に一緒ですが自治体ごとに細かな制度やサービス内容、社会資源が異なってきます。
介護保険サービスの利用を検討する際は、お住まいの地域の自治体の介護保険ガイドをチェックしてみてください。ほとんどの自治体には介護保険の小冊子が置いてありますのでそちらをみるか介護保険ガイドなどで、サービスの概要や申請方法、利用までの流れを確認することができますので、お住まいの自治体のホームページで調べてみましょう。

施設の特徴や金額おおよその待ち期間

①指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

平成27年度改正で原則的には要介護3以上ないとは入れません。申し込みに関しては要介護1,2でも行わせてくれます。入居申し込みから入居まで1年以上かかることが多いです。終の棲家とも呼ばれています。日常生活全般にわたって介護サービスが行われます。入居時の一時金はなく月額費用は約8万から13万ほどかかります。個室と多床室があり料金も多床室のほうが高くなっています。現在、新たに建設する施設に関しては個室でないと作れなかったと思います。

②介護老人保健施設

要介護1以上あれば入居が可能です。入院の必要はないが、自宅療養が困難な人へのサービスが提供されます。入居時の一時金はなく月額費用は約7万から15万ほどかかります。入居申し込みから入居まで、3カ月から6カ月程かることが介護老人保健施設は在宅復帰を目指すための施設という性格が強く、3~6ヶ月程度の一定期間で退去することが前提になっていますが長く入居する方も多いです。医師の人員配置が義務付けられていますがそれ以外にも入所定員100人当たりの人員配置基準は、看護職員9名、介護職員25名、理学療法士、作業療法士もしくは言語聴覚士1名、介護支援専門員1名その他支援相談員になっています。

介護保険は、その方が住み馴れた地域でその人らしく最後まで在宅で生活できるように支援していくことが大事になっています。ただ、介護度が重くなって在宅ではみれなかったり、医療的な支援が必要なため在宅での生活が難しくなったりしたときには、私も施設への援助を行う時もあります。

③指定介護療養型医療施設(介護医療施設)

要介護1以上あれば入居が可能です。長期的な医療と介護が必要な方が入られる施設になっています。入居時の一時金はなく月額費用は約7万から14万ほどかかります。入居申し込みまでは3カ月以上待つことが多いです。私の利用者さんなどは、胃ろうや吸引のをされている方で、人数の関係で空くまで待ってもらいたいということもありました。本当に医療依存度の高い方が療養する施設になります。



※①から③の施設に関しては、介護保険負担限度額認定制度を利用することが可能です。
 設定された要件を満たした場合、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設を含む介護保険施設を利用するのに必要な居住費・食費の負担を軽減できる制度 になります。 介護保険負担限度額認定証は条件を満たしており、申請が通った人に発行される証明書です。 介護保険は要介護度に応じて受けられるサービスや支給限度額が異なります。
この制度はショートステイでも活用できますが介護保険の利用料に滞納がなかったり所得制限がや住民税非課税世帯でないと活用できません。お住いの市長村に確認すれば、それほど時間はかからずに教えてくれます。

④認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

65歳以上で認知症の診断があり要支援2以上ありその施設のある所在地に住民票があれば入居は可能です。地域密着型のサービスになるので原則的にはそこに住所がないといけません。入居時の一時金はその施設によります。月額費用の目安は要介護状態の区分によりますがおおよそ16万前後になります。

⑤有料老人ホーム

有料老人ホームは3種類ほどあり健康型有料老人ホーム(自立している人)介護付き有料老人ホーム(自立から要介護5受け入れホームにもよります。)住宅型有料老人ホーム(自立から要介護5受け入れホームにもよります。)入居一時金は0から数千万。月額費用の目安は要介護状態の区分によりますがおおよそ15万から30万になります。

⑥軽費老人ホーム

60歳以上身体機能の低下がある人で定額で生活支援サービスを受けれる方。入居時の一時金は0円から数百万。額費用の目安は9万から14万ほどかかります。

⑦養護老人ホーム

65歳以上で、環境上・経済上の理由により在宅で生活するのが困難な方で行政の措置により入居になります。入居時の一時金なし。額費用の目安は、約0から14万ほどかかります。基本的には介護サービスは受けれません。自立した生活を過ごせるように支援をしたり、掃除や洗濯などの自立支援、健康管理といったサポートを受けながら社会復帰を促すことを目的としています。

⑧サービス付き高齢者向け住宅


介護保険を利用している高齢者を対象としています。①から⑦までの施設の管轄は厚生労働省になりますが、サービス付き高齢者向け住宅は国土交通省が所轄している所もあります。バリアフリー住宅。介護と医療の連携、安否確認や生活相談が受けられます。入居時の一時金ではなく礼金という形になります。(権利金、礼金等の徴収は禁止されています。)家賃は介護保険込みで額費用の目安は約12万から20万ほどかかります。簡単に言うと賃貸物件になるので賃貸契約になりバリアフリーのアパートにヘルパーさんが訪問して支援する形です。

⑨シルバーハウジング


サービス付き高齢者向け住宅と同様に厚生労働省と国土交通省の所轄担っています。高齢者世帯を対象としており高齢者向けの公的賃貸住宅で安否確認や生活相談を受けられます。入居時の一時金ではなく敷金になっています。額費用の目安は約1万から13万ほどかかります。

以上が高齢者向けの施設の主な種類と概要と費用の目安になりますが、入居の一時金や月額費用はあくまで目安として考えてください。最近は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など似ているような施設が多くなっています。施設で働いている方もきちんと違いを把握できていない方も多いように感じます。

そして最後にお願い

冒頭でもお話をしましたが介護保険の基本的な考え方は、住み馴れた在宅で暮らしを継続できるように支援を行いケアマネージャーとして関わっていくことが大事だといつも思っていますが、ケアマネージャーによっては、要介護3がある方やなった段階で指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の施設申し込みをお願いすることがあります。
私もその考えで、現状は必要なくても1年後2年後を考えた時にどうなっているかわかりません。高齢者は状態の変化が大きく、病気や転倒によっても在宅で生活が難しくなることがあります。
特別養護老人ホームは申し込んでもすぐに入れることはありません。以前は議員さんにお願いしたらすぐに入れるなんてことはあったと聞いたことはありますが、コンプライアンスの厳しい今はそれは難しいと思います。だからこそ保険ではありませんが1年後に選択肢が増えるように申し込みをしておくのは大事だと思います。仮に1年後に施設の順番が来た時は、在宅での生活が可能であれば断っても大丈夫です。施設の担当者に今は大丈夫なことを伝えてください。
ケアマネージャーと家族と施設の関係性がしっかりとしていればケアマネージャーにも連絡が来て相談にも乗れますので宜しくお願い致します。



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