介護が始まる時はどんな時
ある日、突然やって来る家族の介護。その始まりは様々ですが、大きく認知症と外的要因の2つに分けられます。
徐々に認知症になっていくパターンです。2つ目は、脳血管疾患などの外的要因がきっかけとなるパターンです。
認知症に関しては、
介護申請をする理由の中では1位になっています。
外的要因では、
脳血管疾患の中で最も多いのは脳卒中です。脳卒中は死亡率も高く、死に至らなかったとしても、半身麻痺や言語障害が残る場合がほとんどです。
今まで元気だった親が急に倒れ、心の準備をする間も無く始まる。
それが介護です。
親にとっ ても自分にとっても、突然の出来事となるで しょう。外的要因は、病気だけとは限りません。 事故や加齢などをきっかけに、骨折をしたり、 足や腰を痛めたりして寝たきりになるケースも多いです。
高齢化社会を迎え家族の介護を避けて通れない現代、介護が始まる日に備えて、正しい知識と情報を集めておいてく必要があります。
認知症に関しての進め方
家族が以前のことや時間や約束などを忘れるようになったり、 同じ話を何度もするようになったりすると、認知症なのではと心配になると思います。しかし、ただの物忘れなのか、本当に認知症なのか、素人には判断できません。
認知症は人によって病状の進行速度が違うため、ただのウッカリ程度の物忘れが数年続く場 合もあります。しかし、ある日を境にして急激 に物忘れが激しくなったり、情緒不安定になっかもしれません。普段早めに診断を受けましょう。
日常生活でトラブルが頻繁に起こる 場合もあります。では、どのタイミングで認知症診断を受けたらいいのでしょうか?
認知症は、一般的に時間を忘れっぽくなった時点で認知症の可能性があるとされ、自宅への帰り道がわからなくなるといった段階になると、要介護認定が必要になるのですぐに病院に受診をすると同時に介護申請する必要があります。
今日が何月何日かわからない、自分が食事をしたのかわからない、それは認知症の前兆かもしれません。普段の様子を見ながら早めに受診をしましょう。
認知症を疑われる人を病院に連れて行くのは、話を持っていくのは、かなり神経を使います。
そんな時は健康診断の一環と言うことで検査を進めてみましょう。
あとは認知症ケアパスや認知症カフェなども活用すると効果的です。
外的要因の進め方
脳卒中などで倒れた方は、かつては、病院で家族に囲まれて看取られる ことが一般的でしたが、高齢化が進むにつれて、全国的に病院のベッド数が足りなくなりました。そこで厚生労働省は、本当に入院治療が必要な人が利用できるようにと、早期回復・早期退院を促す方向へとシフトしました。そのため、基本的に1回の入院は90日が限度とされています
※入院基本料が一般病棟に90日を超えると大幅に減額されるためです。疾患によって異なりますが75歳以上で44日65歳以上では22日と言うデータもあります。
入院中に介護に向けてしておきたいこと。
急に介護が始まると、何から手を付けていいのかわからずパニックになるケースが多々あり ます。特にはじめての介護だと、右も左もわからず途方に暮れてしまいがち。そうならないために、家族が入院している間に流れを確認しておきましょう。
まずは病院のソーシャルワーカーさんに相談
ほとんどの大きな病院には地域連携室があり医療ソーシャルワーカー、もしくはメディカルソーシャルワーカーと言った退院に向けての準備を相談する人がいます。
回復が見込める場合には問題ありませんが介護が必要になる場合はまず地域包括支援センターを紹介してもらい要介護認定の手続きを行いましょう。
要介護認定を迷う場合は、まず基本チェックリストを行なって見ましょう。
基本チェックリスト
親の介護が必要な状況にはなっているが、要介護認定を受けなければならないほど重症ではない場合や、要介護認定を受けるかどうか自分た ちでは判断がつかない場合は、基本チェックリストを使いましょう。 基本チェックリストとは、家族側で心身の衰えやリスクが簡単にわかるもので、厚生労働省が作成したものです。25項目の質問から、要介護・認知機能の低下・うつ傾向の可能性などがわかります。
実際に地域包括支援センターでも介護保険申請する際にはチェックリストでスクリーニングなども行っています。
認知症かどうかを簡易的に判断する。認知症チェックリストもあります。こちらは、各自治体が出している認知症のガイドブック(ケアパス)などに掲載されています。地域包括支援センターにも置いてあ りますし、自治体のホームページからダウンロードできますので、家族 の言動に不安を覚えた際でも、気軽に使えます。また、基本チェックリ ストは要介護認定を申請するかどうかの判断基準や申請時の資料にもなります。まずは活用してみましょう。
介護申請されましたら原則的に申請から30日以内に介護度が決まります。
要介護認定を受けるときは、できるだけ金銭 的な負担を軽くしたいので、低い認定レベルに なるのは避けたいもの。そこで、認定員との面 談の際に大切なのが、「できることよりもできないことをきちんと伝えること」です。
高齢者の中には、他人にいい顔をする傾向が あり、調査項目の中にできないことがあっても、 「これくらいならできる」と見栄を張ってしま いがち。そうすると、要介護認定のレベルが低くなる可能性が高くなります。 恥ずかしがらずに正直に、できることとできないことを伝えるようにしましょう。
介護者は、面談を迎える前に、要介護者の普段の様子やできること・できないことをメモしておきましょう。 日付とどんなことがあったのかを伝えやすくしておきます。また、動画に撮 ることも有益ですが、要介護者を傷つけないような配慮が必要です。
要介護認定の調査を終えたら在宅で介護を行っていく上で重要なケアマネージャーを選びましょう。
信頼できるケアマネージャーの見極め方
信頼できるケアマネージャーがいるかどうかで、介護生活の負担や充実度は大きく変 わります。多数いるケアマネージャーの中で、誰が信用できるのか、誰が自分たちにあっているかいくつか挙げさせていただきます。
① きちんと話を聞いてくれるか?聞き上手であるか
利用者の立場に立ち、できるだけその要望に応える形でケア プランを作成できるのが、優秀なケアマネジャー。そのために必要なヒアリング能力があるかなど確認しましょう。
②利用者と事業者の間で中立を保てているか
ケアマネジャーの中には、自分が所 属する居宅介護支援事業所のサービスばかり組み込もうとする人がいます。本当に必要であればよいのですが、自分の事業所に利益を果たすためという可能性も。要介護者に必要なら、他の事業所のサービスも提案 してくれる中立性のある人が理想で す。
③情報とアイディアを豊富に持っているか
ケアマネジャーなら、介護の知識が豊富なのは当然。 加えて、 最新の情報や社会資源に富む人を選びましょう。
④フットワークが軽いか
どれだけ素晴らしいケアプランを立てられ たとしても、何かあったときに全然 連絡がつかないのは困りもの。連絡 が取りやすく、また、相談に早急な対応をしてくれる人なら安心です。
※選んではいけないケアマネージャーについても別記事でまとめていますので確認してください。
ケアマネージャーを選ぶところまで進めておくと在宅での介護はまた違うと思います。
まとめ
日本では「家族」を中心とした文化があり、「介護は家族でするもの」 という考えが一般的です。それに対して、欧米などでは、個人の意見を 尊重する自立した考え方が元にあります。また、社会福祉制度などの様々 な制度は、国民のライフスタイルなどの変化に合わせて改定されるもの ですが、今の日本の制度は、そのスピードに追いついていません。
そのため、「家族」が根底にありながら、自立したライフスタイルを 求める近代化の道を歩み、それにマッチしない制度のはざまで介護問題に振り回されているのが、今の日本の姿だと言えるでしょう。今、初めての介護に直面して悩んでいるとしても、あなた一人だけが 悩んでいるわけではありません。あなたが知らないだけで、まわりにい 多くの友人・知人が、同じような悩みに苦しめられているはずです。
少しずつ介護を理解して、家族を自分たちの力で守れるのが1番だと思います。
介護保険を申請する理由によって進め方は若干異なりますが、基本的には地域包括支援センターに相談して介護申請をしたうえでケアマネージャーを選び困ったことを相談していくことが大事だと思います。
コメント