老いる前の整理を始めよう

介護日記
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高齢になってからの荷物整理は危険が伴う

年齢を重ねていくと扱える物の範囲は狭まります。奥行きのある押し入れや天袋やつり戸棚やベランダの物置に背の高い家具など、そのような場所にしまってある物などを整理するのは、高齢になってからはとても危険になってきます。

高齢になってからの荷物の整理は、脚立を使うのも、家具を移動するのも、運び出すのも、転倒、骨折、寝たきりにつながる可能性もあります。

こうしてしまい込まれた物は、もはや自分自身では管理を行っていかないといけません。

物を捨てない背景にあるもの

2023年現在に80歳を迎える方は、1945年の敗戦を経験して戦後と共にさらにひもじい時代を過ごし、生活物資の不足。何より食べ物がありません。辛うじて戦禍を免れた「物」は、食糧と交換し得る貴重な「物」でした。「物が余る」 「物を捨てる」など、まったく無縁の暮 らしです。 「もったいない」が骨身に染みた30歳代はそんな高齢者です。

今の高齢者は戦後から高度経済成長の時代を走り抜け生活様式も大きく変わってきました。

三種の神器、白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機が必需品になり、新三種の神器、カラーテレビ、クーラー、自動車などの家電製品、他にも家具や文具、衣類、食品など多様な生活物資が暮らしを彩りそんな不便がなくなり始めたそんな暮らしも経験されてきています。

現在、50歳代から60歳代くらいの中高年は、もったいない世代の高齢者を親にもつ人たちです。それなりにお金持ちもったいない精神を持っています。この世代こそ、体力、気力、行動力が衰える前に物を把握し、管理と整理の方法を考える必要があります。

今後は、単身世帯が増加。 夫婦の二人 暮らしも、単身世帯予備軍です。大型ゴ ミに出したい家具も一人ではなかなか出すこともできません。

物の量や質に対して、無頓着なまま暮らすのは考えていく必要があります。

高齢になってからは日常生活のスペースと環境の確保が優先。

日常生活のスペースが確保され、家のなかでつまずくような ことがないのであれば、押し入れや使っていない部屋が、物置のような状態になってしまってもいいのではないでしょうか。 ただし、ぎゅうぎゅうに詰まった倉庫のような状態では、換気が整いません。家の傷みが進み、健康にもよくありません。

室内の移動がむずかしい倉庫のような部屋や正常な暮らしができないゴミ屋敷、ネズミやゴキブリが発生しそうな食品の買い置き放置、ご近所の迷惑になるような物のストックは容認しがたいものです。

その場合は、廃棄する覚悟を決めましょう。

整理業者などの手助けも必要となります。

すべてをきれいにする必要はないかもしれませんが、日常生活のスペースと、自立して暮らし続ける環境のための片づけが最優先です。

自力で片づけたいと考える方は、気力・体力があり、情報収集ができる60歳代に行えるうちが良いと思います。

地域から孤立する高齢者の一人暮らし

高齢化社会を迎えて、高齢者のひとり暮らしが増える社会を迎えるにあたり、私たちの見守り意識も改善していかなければならないと思います。

孤立死の現場も、セルネグレクトの ゴミ屋敷も、部屋はSOSに満ちてい て生活が荒れています。近隣の方に話 を聞くと、特にあいさつもせず関わりを拒んでいたような様子をよく聞きます。

果たして本当にかかわりを拒絶していたのでしょうか? 現場にはたくさんの声があふれています。

このような部屋の住人は、今日から生きるのをやめると言って、ある日突然、セルフネグレクトになるのでは ありません。健全な生活を望みながら も、経済的不安、肉体的衰え、病気、 そして地域から孤立した状態になっています。 そして、いつのまにかゴミのなかで暮らす毎日になっています。

日本はさらに高齢化が進んでいくのは間違いありません。

歳をとると自立した生活が少しずつむずかしくなることを想定しておかなければなりません。

見守り意識をもって声をかけ合い、もが安心して暮らせる地域社会をつくることが求められていると、強く感じます。

高齢者のゴミ出し支援

自治体がゴミ出しが困難な高齢者などに代わり、玄関先からゴミ集積所やクリーンセ ンターまでゴミを運搬する取り組みです。

しかし、費用や体制上の問題があり、 全国では政令指定都市を中心に2割強の 自治体での実施に留まっています(国立環境研究所調査より)。

地域自治体によっては、対象者宅の敷地内や玄関先から直接ゴミを収集します。このゴミ出し支援では、収集時にゴミが出されていない場合など、安否確認のためにインターホンなどで声かけを実施しています。

介護保険では

また介護保険でもゴミ出しのサービスはありますがゴミ捨て日に指定の場所に捨てるサービスは、介護のケアプランに組み込まれている場合は行えます。

しかし、ゴミを持ち帰って捨てるというサービスは通常提供しません。

基本的には日常生活支援の中でのゴミ出しになります。

大掃除はサービス範囲対象外、大掃除に伴って出たゴミ捨ては範囲外、使わない部屋の掃除はサービス範囲対象外、使わない部屋の片付けで出たゴミ捨ては範囲外となります。

片付けは、業者に依頼する時代

家財の片づけは愛着のある家財道具をすべて整理することになります。 時間と労力が費やされ途方に暮れるケースが多く、家族だけで整理を完結するには

自治体の臨時ゴミ回収や自身でクリーンセンターに持っていく必要がありますが自治体によっては、分別のルールがあり内容が細かい、指定場所までの搬出する必要があり粗大ゴミや重い物は簡単に運べない回収の日時調整として、土日に行なえない自治体が多いと言った壁があります。

増える片付けの需要

遺品整理

ひとり暮らしの方が亡くなった場合、 賃貸であれば家主に返すこ とになります。 所有していれば相続手続きをして売却したり運用し たりするのが一般的ですが、いずれにしても最初に家財の整理をし なければなりません。 思い出の品々を片づけることは、家族にとっ て肉体的にも精神的にも、経済的にも負担になってきます。

福祉整理

病気やご高齢になり片づけ、整理、清掃ができなくなってゴミが たまり、ときには害虫や臭いなどによって住環境が著しく悪化する ことがあります。 そこで、 悪化してしまった住環境を改善し、健全 な生活を取り戻すお手伝いとして、 整理清掃する作業を福祉整理 と呼んでいます。

空き家整理

空き家が増加して社会問題になっています。 有効利用するために 各自治体も取り組んでいますが、所有者やその親族が現地に行って 片づけるのは、とても大きな負担になっています。 そのため、空き 家対策はなかなか進まないのが現状です。

特殊清掃

自宅で亡くなり、 発見が遅れ、 腐敗臭や害虫が大量発生してしまっ て、近隣に被害が出てしまうケースは少なくありません。 このよう な現場の原状回復工事 (消毒洗浄と脱臭) を特殊清掃と言います。 施工件数は年々増加傾向にあります。

ゴミ屋敷清掃

高齢者にとって、ゴミ出しや片づけがどれほど負担なのか、近年の ゴミ屋敷の実態自治体の把握している件数を見ても明らかと言え ます。ゴミ屋敷にはセルフネグレクトの方も多く、高齢 者だけではなく、若い方にも増えてきています。 大きな問題です。

まとめ

私たちの平均寿命は、男女ともに80歳を超えており女性は、90歳まで届こうかというところまで伸びています。
定年前後の60代の方からは75歳過ぎてから始めようと話されていますが健康寿命は平均寿命に比べて長くはありません。

予期せぬ病気や認知症の進行や入院けがなどのリスクも上がってきます。
85歳を過ぎると多くの人は何らかの支援なしでは生活ができなくなっています。

朝起きて、整容、食事、排泄、洗濯、炊事、入浴から寝るまで自分の日課をこなすだけで精一杯になります。

介護に備えて75歳前にはシンプルライフを実現しましょう。

60代の早い段階で物の整理をはじめて、自分自身で物の管理をすることが大切です。
たとえ要介護になったとしても、そこには介護しやすい生活空間が創られます。



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