【危機】訪問介護の倒産が過去最多…「基本報酬引き下げ」の失敗と国が動き出した今後の見直し案とは?

介護日記

「在宅介護を推進しているはずなのに、なぜ訪問介護の事業所が倒産しているの?」

最近、ニュース等でこうした疑問を目にすることが増えていませんか?

実際に東京商工リサーチの調査によると、訪問介護事業者の倒産件数が3年連続で過去最多を更新(85件以上)するなど、在宅介護の現場は非常に深刻な状況に陥っています。

今回は、なぜ訪問介護事業所がここまで追い詰められているのか、そして国(厚生労働省)が検討を進めている「今後の報酬改定・負担軽減策」について分かりやすく解説します。

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1. 訪問介護が倒産ラッシュに陥っている「2つの元凶」

倒産件数の増大や売上不振の背景には、大きく分けて「ヘルパー不足」と「前回の介護報酬引き下げ」があります。

① 移動時間は「利益ゼロ」…深刻な人手不足

訪問介護は、1件ずつ利用者の自宅へ移動してケアを行います。しかし、移動時間や移動コストには基本的に報酬が発生しません。長時間働いても利益が出にくい構造があり、結果としてヘルパーの賃金が上がりにくく、人手不足とサービス縮小の悪循環に陥っています。

② 「併設型」と「戸建て訪問」を一律に扱った報酬改定の失敗

2024年度の介護報酬改定で基本報酬が引き下げられ、現場に大きな打撃を与えました。

引き下げの背景には、老人ホーム等の施設に併設され、徒歩で短時間に多くの訪問ができる「利益率が高い併設型事業者」の経営データがありました。国がこの「移動コストが小さく収益が大きい併設型」と「移動に時間をかけて戸建てを回る一般の訪問介護」を一律(1本の平均値)で評価してしまったため、「実地で移動しながら頑張る訪問介護事業者」まで道連れで報酬を引き下げられてしまったのです。

ネット上の声

「在宅推進と言いながら、報酬を引き下げて経営を圧迫するのは矛盾している」

「施設での移動移動と、1件1件時間をかけて移動する訪問を一緒くたに考えているのが間違い」

「インフレ率以下の改定は実質マイナス。介護職への評価が厳しすぎる」

2. 厚労省が検討を始めた「単価のきめ細やかな区分け」

こうした批判や経営危機を受け、厚生労働省や社会保障審議会では2027年度改定に向けた見直し案や、業務負担軽減策の検討が進められています。

提案①:「徒歩メインの事業者」と「通常の事業者」で基本報酬を分ける

「徒歩によるサービス提供が大多数を占める事業者(施設併設型など)」と「その他の一般事業者」で、移動コストやサービス内容に応じた基本報酬の区分(仕分け)が検討されています。

一律で一括りにするのではなく、実態に合わせて「誰を上げ、誰を下げるか」を厳密に切り分ける狙いです。

提案②:サービス提供責任者(サ責)の負担軽減と「初回加算」見直し

現場で記録や請求、マネジメントに追われる「サービス提供責任者(サ責)」の負担を減らし、本来の業務に集中できるよう以下の見直しが提案されています。

 サ責が利用者宅を訪れて適切なアセスメントを行った場合の評価

 ヘルパーが同行する現場等で、サ責がオンラインで面談・状況確認を行う仕組みの導入

※オンライン活用については、「認知症の高齢者などとの意思疎通が難しくなるのでは」と慎重な議論を求める声も上がっています。

3. 「きめ細かい単価設定」で訪問介護は救われるのか?

「単価がきめ細かくなる(見直される)」と聞くと、一見「報酬が上乗せされる(底上げされる)」ように期待してしまいます。

しかし、注意しなければならないのは、政府の方針は「全体へお金を一律に配る約束」ではなく、「事業形態別に適切に測り直す前段階」に過ぎないということです。

 測り方が先、配り方は後

 どの箱(区分)に自分の事業所が入るかによって、単価が上がる側になるか、下がる側になるかが決まる

つまり、「きめ細やかな区分け」によって本当に地域密着型の訪問介護が救われるのか、それとも選別が進むだけなのか、今後の具体的な基準づくりを注視していく必要があります。

まとめ:これからの在宅介護を守るために

高齢化が進む日本において、訪問介護は地域での暮らしを支える「社会の命綱」です。

政府も補正予算による賃上げ支援や臨時改定などを模索していますが、「現場で汗をかいて移動するヘルパーや事業者がしっかりと報われる仕組み」にならなければ、崩壊を防ぐことはできません。

今年末にかけて大枠が固まる国の改定案に対し、介護現場の実態に合った「公平で持続可能な見直し」がなされるのか、私たち一人ひとりが関心を持ち続けることが求められています。

ご質問やご意見、現場でのご感想などがありましたら、ぜひコメント欄で教えてください!

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