介護現場必見 入浴拒否される方の対応について

介護日記

   入浴拒否される方への取り組み

今日のテーマは入浴ですが、入浴は生活を継続する中で大切です。
全身の皮膚状態・トラブルなどをチェックする機会にもなります。高齢者の場合転倒やぶつけたりされることが多いので、早期発見につなげることが重要になります。
また褥瘡や皮膚疾患を防ぐには欠かせないと言っても良いと思います。
入浴し体を温めることで血液循環が促進され、新陳代謝が高まります。 筋肉の緊張をほぐし、関節痛などの痛みを和らげることもあります。 副交感神経が刺激されるとリラックス状態となり、夜間の睡眠の質が上がるなどの効果も期待できます。

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入浴は大事でも嫌がられる方もいる!

とても重要な入浴の効果や重要性についてお話をしましたが中には、入浴を嫌がる人がいます。認知症などの疾患や羞恥心などが考えられますが理由は1つではないかと思います。
私も特別養護老人ホームの現場で働いていた時にも入りたがらない方や今もデイサービスの事業所から入浴に入りたがらない相談を受けることがあります。

まずは、嫌がる原因を確認しよう

基本的なことでありますがどうして利用者様が入浴に入りたがらないのかしっかりとアセスメントを取りご本人が嫌がらずに入浴を行えるように取り組んでいくのが大事です。

考えられる理由は?

  • 羞恥心がある。
    人に肌を見られたりするのは嫌と言う気持ちは高齢者も一緒です。年を重ねても恥ずかしいという気持ちは変わりません。
  • 環境の変化についていけない。
    認知症のある方などは入浴の場面などの変化についていけないことがあります。
  • 利用者様が入浴が必要と感じていない自分の衛生状態を理解していない
    介護職と衛生面に対しての認識が異なるということもあります。
  • 入浴が面倒
    意外と体力を使うので疲れるのが嫌だという人も少なくないです。私も散髪などは、行くのが面倒であまり行きたくないと言う思いもありますが固定観念に縛られず原因を探っていくことも必要です。
  • 入浴に悪いイメージがある
    入浴時に恥をかいた。介護職の注意が嫌だったなどということもあります

入浴拒否があるときの対応

  • 羞恥心がある方に対しては
    同性介助なども検討してみましょう。男性の利用者様は男性の職員。女性の利用者様には女性の職員。私も自分で入浴をできなくなったときは、入れてもらうなら男性の方に入れてもらった方が嬉しいかもしれません。
    あとは環境も整えてみましょう。複数で利用者様が入る時などはパーテーションなどで着替える際など直接見えないように工夫しましょう。
    処置などで臀部など行うときは周りに見えない工夫は本当に大事!
  • 入浴が必要と感じていない方と入浴が面倒だと思われてる方は
    入浴を強調せずに別の理由で浴室に誘導するといいかもしれません。
    あまり行ってほしくない声掛けは、「入らないと臭いですよ」「みんな入っているから入りましょう」などはNGです。
    仲の良い利用者様とおしゃべりをしながら入れるような環境。お風呂ではなくおしゃべりの場への誘導の考え方は有効です。
    入浴の流れについて一つずつ確認をしましょう。実際に入ったら楽しいというイメージを繰り返し体験してもらうことも良いと思います。

入浴は声のかけ方の工夫

お声かけをするときは
「一緒にお風呂に入りましょう」 「一番風呂ですよ」 「いいお湯が沸いていますよ」 「風呂から出るとちょ うどお昼ご飯ですよ」 など、 楽しみになるような 声かけをする。「暖かいところ」 「香りの良いところ」「歌を歌える ところ」など、 お風呂に良いイメージを持ってもらえるような環境づくりをする。

浴室の環境への配慮や入浴剤の活用

アロマが好きだった聞いて入浴剤を湯にたくさん浮かべたところ気に入って入浴できた方もいらっしゃました。ご家族の写真やふるさとの風景、 好きな物 (花・動物など)の写 真をラミネートして壁に貼ったり好きな音楽をかけたりリラックスできる環境作りも大切です。



ユニットケア施設ではマンツーマン入浴で改善

入浴を嫌がられる方の対応をいくつか上げさせて頂きましたが私の以前に働いていた特別養護老人ホームでは、ユニットケアの仕組みの中で防ぐ取り組み。

ユニットケアって

食事・入浴・洗濯・お茶の間など、暮らしの場を一つのくくり(ユニット)とし、使いやすいように工夫しています。くくりの単位は10人前後で、その人たちが暮らしの仲間となります。暮らしをサポートする職員も固定配置されていますので、名前は覚えられないとしても、「いつもの人」として顔なじみの人間関係が築かれる中での支援をおこなっています。

マンツーマン入浴

お年寄り一人に対して一人の職員が、入浴のお誘いから衣類の用意、バイタル測定、お風呂までの誘導、脱衣、入浴、着衣、お部屋又はリビングに戻られるまで、最初から最後まで関わる体制で行います。

メリットは?安心感に希望する日程で入浴できる。

最初から最後まで一人の職員が行うことで認知症があるお年寄りも安心して入浴を行うことができます。従来型の特養では衣類などは前もって用意しておき、バイタル測定もまとめて行い、服を着せる人脱がす人、浴室で体を洗う人、複数の職員がそれぞれの役割を行う形で進める方法が多いです。認知症がある方は人が目まぐるしく変わると気持ちが落ち着きません。
だからこそマンツーマン入浴は、環境の弱い方に関してはとても良いです。
他にも声をかけて気分が乗らない時も日程や時間の調整ができます。曜日固定で入浴を組んでいると、どうしてもその日の限られた時間になると職員もお声掛けにあせりがでます。


100人の利用者様を50人の職員で入浴を支援するのと
10人の利用者様を5人の職員で入浴を支援するのは
比率は一緒でも関わり方が全く変わってきます。利用者様、職員どちらもメリットがあります。
前者は関わる際に情報量は少なくなり関係性も希薄になります。
後者は関わる際に情報量は多くなり関係性は馴染の関係性ができます。
職員からすれば100人の情報量を覚えるより10人の情報量の方が多くなるのは当然だし毎日関わると関係性が構築しやすいです。

マンツーマン入浴、他にもこんなメリット

ユニットケア施設にある入浴施設は基本的に1ユニットに個浴が1つあります。(2ユニットに片方のみリフト欲や1フロアに機械欲が置いてあることもあります)
入浴も一人の利用者様ごとお風呂のお湯を張り替えているので感染症対策にもかなり効果的です。
また、1回1回お湯を張り替えているので利用者様の好みにあった入浴が行えます。
入浴剤なども人の好みではなく自分の好みで行えます。また爪切りなどもお風呂の中で行ったり垢もこすったりできます。

デメリットも少しだけある。

1人の職員が最初から最後まで行うので知識や経験が多く必要になります。
入浴技術も必要ですが、皮膚状態の観察や入浴時の急変時など気を配ることが多いので職員の技量が問われます。新人などは、きちんと独り立ちできるまでユニットリーダーやベテラン職員が関わることが必要。

まとめ

入浴は、生活をする中で必要不可欠だと思います。ただ中には入浴に入りたくないと思われる方もいらっしゃいます。そんな時には、まず原因をみんなで考えましょう。
その人の立場にたって自分のことのように考えてみましょう。
羞恥心であったり、認知症の病状からも考えられます。その人にあった対処法を考えることで安心で安全に楽しく入浴がおこなえるのだと思います。



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