「デイサービスの送迎、毎日当たり前のようにやってるけど…これって本当に採算が合ってるの?」
そんな現場の「もやっとした違和感」を裏付ける衝撃的なデータが発表されました。
全国老施協(全国老人福祉施設協議会)が全国963箇所のデイサービス事業所を対象に行った調査によると、送迎部分だけで1事業所あたり年間約115万円〜229万円もの赤字が出ているという実態が浮き彫りになりました。
今回は、なぜこれほどまでに送迎で赤字が膨らむのか、そしてデイサービスという事業自体が抱える「制度的な無理」について分かりやすく解説します!
1. ニュースのポイント:送迎だけで年間100万円超の赤字という現実

全国老施協の試算(今年1月の実績をもとに年間収支を算出)によると、送迎にかかるコストと収支のバランスは以下のようになっています。

なぜこんなに赤字が出るの?
物価高・維持費の高騰: ガソリン代の上昇、車両の購入・車検代、修理・整備費用が直撃。
人件費の負担増: 送迎ドライバーや添乗する介護職員の人件費増。
評価の据え置き: 送迎の基本評価(基本報酬に包括されている片道47単位)は、なんと2003年から20年以上も据え置かれたまま!
「送迎すればするほど赤字が膨らむ」という、事業所にとって非常に理不尽な状況が放置されているのです。
【なぜ?】デイサービスが構造的に赤字になりやすい 5つの理由

【なぜ?】デイサービスが構造的に赤字になりやすい 5つの理由
❶ 【公定価格の壁】自前で値上げができない
物価や電気代が高騰しても、国の決めた介護報酬のため事業所の判断で利用料に価格転嫁できない。
❷ 【コストの7割が人件費】安易な削減が不
労働集約型の事業であり、人員配置基準を満たす必要があるため賃金上昇や紹介手数料の負担があっても人を減らせない。
❸ 【送迎・入浴・食事】コストとリスクの「重加担」
ニーズは非常に高いが単体では利益を生みにくく、車両維持費・ガソリン代・人件費の負担が極めて重い。
❹ 【過剰競合と稼働率依存】定員割れで即赤字
地域内での利用者の奪い合いが激しく、定員に対する稼働率が少しでも下がると固定費を回収できない。
❺ 【加算取得のハードル】小規模事業所の苦戦
基本報酬が抑えられ加算重視の制度設計のため、人員や事務体制に余裕がない事業所ほど減収に陥る悪循環
このように、「社会的インフラとして高品質なケアを求められる一方で、物価高や人件費高騰を価格に転嫁できない」という制度上の無理が、現場の経営を極限まで圧迫しています。
3. 全国老施協が国に求めた「具体的な改善策」とは?
こうした危機的状況を受けて、全国老施協は社会保障審議会(介護給付費分科会)へ要望書を提出し、次回の介護報酬改定に向けて実態に合った評価を強く訴えています。
【全国老施協が求めている主な改善案】

1、基本報酬の引き上げおよび送迎減算の見直し
2、片道47単位という20年以上変わっていない送迎評価の抜本的再評価
3、訪問系にはある「特別地域加算」や「中山間地域等における小規模事業所加算」の通所系サービスへの適用
過疎地や中山間地域では、1人の利用者を送迎するのに往復1時間以上かかることもザラにあります。地域ごとの実情に応じた手厚い補填がなければ、地方のデイサービスは次々と撤退に追い込まれかねません。
まとめ:デイサービスがなくなる前に、現場の実態に即した改定を!
デイサービスは、単に高齢者が日中を過ごす場所ではなく、「在宅生活を支え、ご家族の介護負担を軽減する要(かなめ)」です。
送迎が成り立たなくなれば、デイサービスに通えなくなるご利用者が続出し、結果として在宅限界点が下がって要介護度が重度化してしまう…という悪循環に陥ってしまいます。
20年以上も更新されていない送迎の評価基準を見直し、現場の努力が正当に報われる制度へとアップデートされることを切に願います。
みなさんの事業所では、送迎のコストや人件費のやりくり、どのように工夫されていますか?ぜひコメントやSNSでご意見をお聞かせください!

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