同じ高齢者施設なのに…特養は赤字ギリギリ、有料老人ホームが利益を出せるカラクリ

介護日記

最近ニュースで「特別養護老人ホーム(特養)の55.8%が赤字に転落した」という全国老人福祉施設協議会の発表が話題になりました。

10年前は赤字割合が約30%程度だったのに、今や半分以上の施設が赤字。まさに「介護崩壊」の危険水域と言われています。

ここで、ふと疑問に思いませんか?

「そんなに介護業界が厳しいなら、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型有料老人ホームも同じように赤字なの?」

実は、サ高住や住宅型有料老人ホームは、しっかりと利益を出している事業者が少なくありません。

同じ高齢者向けの施設なのに、一体なぜこんなに大きな格差が生まれてしまうのでしょうか?

そこには、日本の「介護保険制度」と「ビジネスモデルの違い」という決定的なカラクリがありました。

今回は、その3つの大きな理由をわかりやすく紐解いていきます!

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理由1:「国の決めた価格」しか取れない特養 vs 「自由な価格」を設定できる民間

一番の大きな違いは、サービス価格の決め方にあります。

 特養(公的な施設)

特養は社会福祉法人などが運営する公的な施設です。サービスに対する料金(基本報酬)は全て国が「公定価格」として決めています。

そのため、近年の激しい物価高や水道光熱費の高騰、人件費の上昇があっても、「明日からサービス料を10%値上げします」ということが一切できません。

 サ高住・住宅型有料(民間の施設)

一方で、サ高住などは民間の企業が運営しています。「家賃」「共益費」「生活支援サービス費」などの価格設定は基本的に自由です。

電気代や食材費が上がれば、契約更新時や規約に基づいて家賃や管理費を改定し、コスト増を顧客(利用料)に価格転嫁することができます。

理由2:医療・介護の手間(重度化)の違いと「人件費」の重み

次に大きな影響を与えているのが、ご入居者様の「介護度(手間)」と「配置しなければいけないスタッフの数」です。

 特養:手厚い介護が必要な「要介護3以上」が基本

特養に入居される方は、要介護3〜5の認知症や寝たきりの方が中心です。24時間体制での手厚い介護や看護が必要であり、国が定めた基準に基づき、多くの配置基準(人員)を満たさなければなりません。

人手不足の現代、介護職員を確保するための人件費は跳ね上がっていますが、これをカットすることは不可能です。

 サ高住・住宅型有料:「住まい」の提供がメインで介護は外部化

サ高住などは、比較的元気な方(要支援〜軽度要介護)も多く入居されます。

施設自体は「賃貸住宅」の扱いであり、介護サービスが必要な場合は併設または外部の訪問介護事業所からサービスを提供する仕組みをとっています。

これにより、施設本体の人件費リスクを抑えつつ、効率的な人員配置が可能になります。

理由3:サービスを別売りでプラス請求できる「加算・自費サービス」の仕組み

最後は、収益を伸ばす仕組み(ビジネスモデル)の違いです。

 特養:パッケージ型の丸抱え

特養は施設介護サービスとして「丸抱え」の定額(保険給付)が基本です。どんなに手がかかる日があっても、定められた範囲内での対応となります。

 サ高住・住宅型有料:組み合わせ自由なサービス請求

住宅型では、「家賃収入」という安定したベースの上で、介護が必要になれば外部の訪問介護(区分支給限度額までしっかり活用)を組み合わせます。

さらに、限度額を超えるサービスや、買い物代行・付き添いといった「保険外(自費)サービス」をオプションとして追加してもらうことで、1人あたりの単価や利益率を高める工夫ができるのです。

まとめ:私たちが知っておくべき介護のこれから

こうして比較してみると、特養が経営努力をしていないわけではなく、「物価高になっても価格を上げられない仕組み」の中で高レベルな介護を提供していることが浮き彫りになります。

 特養=費用が安く重度者も安心だが、制度の壁で経営が圧迫されている

 民間のサ高住・住宅型=価格転嫁や多様なビジネスモデルで収益化しやすいが、利用者の費用負担は大きくなりやすい

介護保険制度の改定や基本報酬の底上げが叫ばれる今、これは決して施設だけの問題ではありません。

私たちが将来どのような施設を選び、どれくらいの費用がかかるのかという「暮らし」に直結する重要テーマです。

みなさんはこの「特養の赤字問題」について、どう考えますか?

ぜひコメントで意見を教えてください!

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